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ぶらり第2話 ~お宝発見!?カネセかなもの店編~

第1話に引き続きカネセかなもの店の神埜さんにお話をうかがいます。今回はお店のことを中心に。商売についてのお話から、その時代背景が感じられます……

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∨(ヴァン) さて、前回に引き続きカネセかなもの店さんでお話をうかがっていきます。

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P(ポール) 前回は防災街区のことだけ聞いて時間がいっぱいになっちゃったんだよね。
       なので今回は(店内を見回して)こちらのお店についておきかせください! このお店はどのくらいやられているんですか?

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カ(カネセさん) はじめたのは昭和22年やね。おらはねえ、会社勤めやっとったがですよ。22歳のときやね。それで会社辞めて、なんもないところからなんかやったろうと考えて、高岡や富山をあちこち見て歩いたらおもしいことがわかった。各町々見てみると金物屋とか呉服屋とかはどこ見ても大きい商売をしている人が多い。これはなにかあるなと思った。当時高岡に知った人がおって、その人も金物屋をやっとった。そんなことで、よしそれじゃあ金物屋やったろうと。それで中央町商店街の家を借りて、金物屋をつくった。

P それは今のこのお店ですか?

カ いや、当時はここでなく、この並びの昔パチンコ屋だったところでやっとった。
  そして、おらの名前ははじめ「清」やったから(※もともとの名前、後に雅夫と改名)、「金」に「清」で「カネセ」と屋号をつけて商売をはじめたがです。それからどうして商売やったろうかと思って一生懸命、氷見市内やけど在(旧町外の村々)の方まで売りに行った。「金物屋です。見てってください」言うてかっては物を売ったがやちゃ。そうやって取引先をつくった。灘方(氷見市灘浦地区)や山の方までまでずうっと。

P へえー!

V  行商ってその時代だとどうやって回ってたんですか?

カ 自転車やちゃ。自転車に籠付けて、そこに金物を載せて回った。そうすると段々と店にお客さんが来てくれるようになった。小さな店やったけど大変流行ったが。店には親を呼んで置いて留守番してもらっとったがやけど、このままじゃ駄目やなと思って、今の女房をもらったがやちゃ。

P 商才があったんですねえ!

カ ところがそんな時に大家に「店を空けてくれ」と言われて、弱ったなあと思っていたところに、ちょうどこの家が売りに出て。それでここに移って来たがです。それが商売はじめて2年ほどの頃かねえ。

P その当時はどこが人通りが一番多かったんですか?

カ ここです。中央町が一番多かった。

∨ たしか当時は漁港が今の上庄川沿いだったんですよね。

カ そうそう。今北の橋詰のところね。あっこに市場があった。市場があって川に船着き場みたいものがあってね。だからこの通りが商売するのに一番よかった。

P どういうお客さんが多かったんですか?

カ うちは建築金物が中心やったから、大工さんたちが朝も早くから買い物にきてね。狭い店だけど賑わったもんです。

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∨ そうして繁盛しながら前回うかがった防災街区の造成を迎えるわけですね。

カ そう、電気をつけたらバーっと明るくなってね。みんな目を瞠ったがやちゃ。はあー、なんちゅういいところになった、って。おらんとこの家も屋根いっぱいの高さにカネセって電気看板立ててね。店々の看板がずらと並んで。全国から視察に来とった。

P 当時の最先端だったわけですもんね。

∨ やっぱり70年代、80年代あたりが一番栄えた時代になるわけですか?

カ そやねえ。

∨ そしてバブルが弾けたあたりから客足が落ちていくという……

カ そやそや、ちょうど大型店も増えていって。

P 時代の波ですね……

カ 息子が大きなって、長男は配管設備の会社を立ち上げて今も氷見で仕事をしている。その頃別所に出店しようかいう話もあったが、これからの時代はそういう仕事も大事やなと思った。設立当時はその会社の代表も務めたが今は退いてこの店を開けている。

∨ そうなんですね。そこがひとつの時代の区切りというんでしょうか……感慨深いものがありますね。

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カ もう歳やから活発に動き回れないのが情けない。今となっては商店街ビルの老朽化もあって、でも共同ビルだから勝手に壊すわけにもいかず、税金もらって全部いっぺんにともいかない。なんでこんなものつくったという声もある。それでも当時、まちのためにという思いでみんな動いとった。
 「なんのために商売をするのか」と聞かれたことがある。商売はね、金儲けのためじゃないがです。いやそれも大事やけども、やっぱりそこの場所そこの地域を輝かせるために自分たちが努力をする、と。そういう使命を負っとんがです。

P 70年近くこのまちで商売をなさってきただけに、とても重みのある言葉ですね。

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V  お話ありがとうございました!

 最後に店内をもう少し拝見させてください。

P 掘り出し物がいっぱいある予感!!

カ たまに若いのがふらっときて買っていくことがあるよ。

P やっぱり! アンティークハンターにはたまらない空間でしょうね。

カ 二階には古い建築金物がまだまだある。

V 最近はDIYも流行ってますしね。年代物の金属部品を探している方はこういうところを探すとおもしろいのかも?

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P これは僕らもまたお邪魔するしかないなー!

カ おお、また来られ。

∨ はい、また!

P まだまだ見ていきたいけど、今日はここまで……! 今度は2階の商品も見てみたーい!

∨ それではカネセさん、お忙しいところありがとうございました!

今回お話をうかがったお店

『カネセかなもの店』

神埜 雅夫(こうの まさお)さん

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所在地: 〒935-0011 富山県氷見市中央町11-27

電 話: 0766-72-0637